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【教員インタビュー】③ 北海道プログラム(地田先生)

北海道プログラム(担当:地田先生)

 

2019年の夏に始まった北海道プログラムでは、アイヌ文化が息づく白老町・平取町を主なフィールドとし、多民族・多文化理解や地域おこしについて学びます。広大な自然や町の人々とのあたたかい交流を通して、地域の魅力を知ることはもちろん、鹿料理や山菜など多くのおいしい料理に出会えることもこの研修の魅力の一つです。お話を聞くだけでおなかが空いてきます!

今回は、地域共生学科にいらっしゃる前から北海道に縁のある、担当の地田先生にお話を聞いてみました!!

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Q1: なぜ北海道を地域創生の場所として選んだのですか?

地田: ご縁が一番大きな理由ですね。前任校の頃から白老に行く機会がありました。そして、世界共生学科という多文化共生について学ぶ学科に自分が勤めているということもあり、白老は学生がアクティビティをするのにふさわしいと考えていました。特にアイヌ文化が根付いている点を考えると、東海地方にいるとあまり先住権のことやアイヌ文化に触れる機会はないですが、日本の中での大事な多文化共生の形が白老に行けば直接見れるだろうと思い、地域創生のプログラムとしてこの地域を選びました。

Q2: 北海道プログラムではどういった活動をしますか?

地田: 事前準備では、アイヌ文化や白老という町を知るために現地の方をお招きしてお話を聞くほかに、参加している学生たちの地元の魅力をプレゼンしてもらったりもします。

実地研修では、街歩きやポロトの森歩き、アイヌ刺繍体験、平取地域にあるアイヌ博物館を見学したりいろんなアクティビティがあります。例えば、森歩きを取り上げると、白老の土地そのものが農業に適さない森で、自然資源がそのまま残っているのですが、アイヌの人にとって森は非常に大事なものなんです。その森に触れるため、実際に森を歩いたり、キャンプ場で鹿料理を食べたりしましたね。楽しくないと魅力もなかなか伝わらないので、歩く・調べる・体験・講義・聞き取り・考える・議論する・報告するといったアクティビティをちりばめていって、空いた時間には学生たちに自主的に自由な聞き取りをしてもらいます。

Q3: 聞き取り調査では、学生たちはどのようなことを聞きとるのですか?

地田: その時のメンバーによって様々ですが・・・

1.アイヌの今やアイヌ文化、差別、先住民族

2.多文化共生の街づくり

だいたいこの2つに興味がわかれますね。

Q4: 先生が思う白老の魅力は何ですか?

地田: まずは、交通のアクセスがいいところ。新千歳空港や札幌から1時間で行けるから、こんな魅力たっぷりの街に気軽に行けるのはとても便利です。

街づくりの観点からすると、外からやってきた人間が内部にいる人たちを刺激しつつ、内部にいる人たちもそれに触発され、世代と空間の垣根を取っ払って「街をよくしていこう」とする動きが見られるところですかね。現地の人と外部の人たちがタッグを組みながら、面白い街にしようというアクティビティが街全体に広まりつつあるのはすごいなあと思います。街が元気になるということは、それだけ街に関わってくれる人が増えているということなので。面白いアイデアを持った人たちがやってくると、その人のつながりでいろんな面白い人がまたやってきてくれます。リモートの時代になってその動きがより活発になっています。僕も、名古屋でできない楽しみを授業がてら白老に求めていますから(笑)。

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──ごはんがおいしいのも魅力ですもんね^^

地田: そうですね!魚もおいしいし、白老牛というブランド牛もある。アイヌ料理もあるし、鹿料理も癖がなくておいしいし、すごくおいしい天丼屋もあって、とにかくいろんなおいしいものが詰まっている街なんですよ。卵もおいしいから、マドレーヌやエッグタルトも楽しめるし。面白いお店があってね、白老にある手つかずの山に入って行って、自然の幸を採集して料理に出す居酒屋さんもあるんですよ、これがすんごくおいしい!

Q5:コロナのような状況で、学生たちはどのように参加できますか?

地田: 現地に行けなくても白老について常に触れ、白老の人とつながりがある感をどういう風に出すのかが一番のキーポイントだと思っています。2020年度は8月くらいから、冬の研修に向けて、現地の人とオンライン交流会をしたり、準備を始めましたので、モチベーションづくりになりました。

2月が北海道プログラム本番でしたが、コロナが若干おさまっていた12月に一度、参加する学生同士の親睦を深めるために、岐阜市と大垣市で街の魅力を調べることの一環として合宿を組みました。

そして迎えた北海道プログラムは残念ながら完全オンラインになってしまいましたが、バーチャルで森歩きや街歩きをしたり、平取町のアイヌ博物館を見学したりしました。

──学生たちオンラインでも十分楽しめそうですね!

地田: もっと白老に行きたくなるよね(笑)そう言ってくれる学生が数人でもいたら、成功だと思う!僕としては、地域創生科目を通して白老で大きなムーブメントを起こすというよりも、学生たちが科目を終了した後でも、今後の人生の中で、また白老に行きたいなと思ってくれれば、それが成功だと思っています。魅力が伝わったということですからね。

──これだけの魅力が詰まった地域での経験が、愛知やほかの地域でも生かせそう!

地田: 僕がこの科目で一番作りたいと思っている人材が、地方公務員なんですよ。北海道での経験から、愛知やほかの自分の地元の地域などで地方自治体や役場に入って、外国人などと共に多文化共生の街づくりに関わる人。そういう道に進む学生が増えてほしいですね。外国の方や外部の方含めて、いろんな要素を参考にしながら、真正面から街を元気にしていくことに貢献できる学生が増えてくれたらうれしいです。

普段なかなか関わる機会がないアイヌ文化や大自然。遠い北の地域の魅力は愛知にいるとなかなか知ることが出来ないですが、地域創生科目という研修の場を使って、日本の中に多民族・多文化に触れる貴重な経験をするのもおもしろいですね!今まで知らなかった日本の新たな一面を知る機会になるはずです。

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